「さしすせそ」あとがき

私の処女作「さしすせそ」
読んでくれた方も途中で面倒くさくなった方もおられるでしょう。

どうでもいい話に料理の基本である「さしすせそ」をどうやって盛り込むか?
その意味不明な発想が最初のコンセプトでした。
本当はトンデモおふざけ小説になる予定だったんです。それがなぜか恋愛小説風に。
「さしすせそ」全部見つかりましたか?

さ:佐藤 (第一話)←さとう
し:俊夫 (第一話)←しお
す:「す・・」 (第七話)←酢
せ:show you (最終話)←しょうゆ
そ:美苑 (第三話)←みそ

着地点も決めないまま書き始めてそれをアップしてしまうあたりさすがボクです。
書いてる途中で「キモイわ〜嫌われるわ〜」って感じになって止めたくなりましたが
第一話をのせてしまったので続けるしかありませんでした。
こういうの見切り発車って言うんだよね。さすがボクです。

下書きしてそれを順番に上げてったんだけど最終回手前で1話抜けてた事に
気づくという大失態。完全にテンション下がった。いろいろゴタゴタしちゃった。

物語を書く事にあたって、これまでの人生経験の何かしらインスパイアされるものが
あるんでしょうがこれといった元ネタもありません。
オレ本読まないし。恋愛映画も見ないしな。
なんでこんな話になったのか、書いた本人が一番不思議です。
今だから言いますけど、最終話を書きながら泣いて編集しながら泣いた。


登場人物についてですが、「ボク」はボクでは無く「美苑」にモデルはいません。
この話はフィクションです。当たり前ですけど。

ちなみに、私は飼い犬である「テツ」の散歩を一度もした事がありません。
毎日家族が散歩しているみたいです。

当然ミリンダはテツではありません。「さしすせそ」じゃないけどミリンダはみりんだ。
こんな台無しエピソードを書いてしまうあたり、さすがボクです。

カテゴリー欄に「さしすせそ」を設けました。
お暇なら第一話から最終話まで一気に読んでみて下さい。
また書くような事があったら公開の方法は考えるようですね。

最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。  

連続携帯小説「さしすせそ」最終話



あまりにも突然だった。

彼女が病気、それも治らない病気だと知って自分が何が出来るのか
どうやったら彼女が幸せでいられるか考えてる途中だった。

結局何もしてやれなかった。
自分ばかり楽しかったのではないかと、ただ後悔だけが押し寄せる。

もう少しで旅行に行けるくらいのお金が入ったサイフも
ディズニーランドのみやげも
あのハンカチも
彼女と過ごした日々のすべてが「思い出」に変わってしまった。


葬儀は終ったがボクは彼女がいなくなった事を受け止められないでいた。
だから泣かなかった。
泣いてしまうと彼女の死を受け入れる事になってしまうから。


彼女のアパートを片付けていると花屋の同僚の人が手伝いに来てくれた。

「美苑さんね、佐藤さんとお付き合いしはじめてからすごく幸せそうでしたよ」

「・・・・・」
何も言えなかった。

「自分の命が短い事を知りながら生きていくのは辛かっただろうけど、
 最後は佐藤さんと一緒にいられて本当に幸せだったんじゃないかな」

「花みたいですね。 美苑は・・・」

その言葉のあと、ボクは溢れる涙をこらえきれず子供みたいに泣いた。



あれから1ヶ月、やっと彼女の事をゆっくり考えられるようになった。
いまだに彼女がいなくなった事が信じられないでいるけれど。

ベランダでタバコを吸いながら、彼女と通った店で聴いた曲のフレーズを思い出す。

 ” I wanna show you, You are so loved. ”





ボクは自分の部屋に花を生ける事にした。
儚く咲き誇るその花が、ずっと美しくいられるように、大事に。






  
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連続携帯小説「さしすせそ」第七話



彼女が病気だと分かってから、なんだかぎこちなくなってしまった。

それを察したように彼女は明るく振舞った。
「お金貯めてさ、旅行に行こうよ」
ボクたちは新しいサイフを買って貯金を始めた。

それからどれくらい経った時だったか
彼女のバイト先である花屋から電話があった。
「美苑さんが、美苑さんが倒れたんですっ!すぐ来て下さい!」

突然の事でパニックに陥った。確かに彼女は病気だけどそんな急に!?
吸っていたタバコの火を急いで消して、病院まで走った。

とにかく走った。全身の筋肉が切れるんじゃないかと思うくらい走った。
どこをどう走ったとか、信号の色が何色だったかなんて覚えていない。

病室に入るとベッドに横たわる彼女と医者がいた。
弱りきった彼女は、よせばいいのに話はじめた。

「ゴメン」

「なにがゴメンだよ!もう喋らなくていいよ!」

「俊夫くん」

「もういい、喋らなくていいから」

「ありがとう」

「美苑・・・」

「す・・」


彼女は静かに目をとじた。
握ったその手は嘘みたいに温かかった。









つづく  
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